猫とキツネが賢さを自慢し合っている。キツネは百の計略を誇り、猫は自分には一つしかないが、強力だと反論する。犬に襲われると、策を試し、すべて失敗したキツネに対し、猫は逃げるという唯一の策で生き延びた
▼「まずは逃走せよ」が処世訓だろう。フランスの『ラ・フォンテーヌ寓話(ぐうわ)』のよく知られた一話だ。カルロス・ゴーン被告はレバノンの学校で「ラ・フォンテーヌ寓話」をフランス人神父に教わったという。十代のいい思い出話として自著に記している
▼猫の計略に従ったわけではないだろうが、年末のレバノンへの逃亡は劇的で、体面も気にしないその手口、これしかないといわんばかりの思い切りに驚いた。不明の点は多く、衝撃が収まっていない
▼寓話に限らず西洋には、逃走を前向きにみる格言の類いが意外に多い。「へたに待つよりも上手に逃げる方がよい」「逃げた者はもう一度戦える」。ヒットしたドラマの題名「逃げるは恥だが役に立つ」もハンガリーのことわざが由来らしい
▼楽器ケースに隠れたともいわれる逃避行で被告は国際手配の対象にもなった。トルコでも刑事告訴され、多くの人間を巻き込んだ。身の恥は承知のうえだろう
▼日本の司法制度に対する批判を始めたようだ。省みるべき点はあろうが、価値観の違いを感じるばかりの逃げっぷりの後だ。逃亡先からの声は響くだろうか。
中日新聞:中日春秋(朝刊コラム)
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日産自動車の株主総会に出たことがあり、
ゴーンはとにかく言い訳ばかり、日本語を覚えようとしない。
あんな身勝手な人だとは思わなかった。
1月6日が令和2年最初の株式取引になるが日産自動車値が付くのか?
by nikki (2020-01-05 23:46)
>新品のようになったお風呂、入って汚すのが嫌で仕方ありません。
買いたての傘を雨で濡らしたくない、という感覚に通じるものがありますね。
実際にささないで、ずぶ濡れになったことがあります。
>ゴーン氏の海外逃亡
保釈金もったいない、と思いましたが、それは庶民の考え方なんですね。
by いっぷく (2020-01-06 01:49)
連れ合いがトイレ掃除した後は入り辛くて仕方ありません。
「掃除したばっかなのにぃ~、入るのっ?」
いつならいいんだって。
今年も宜しくお願いします。
by 匪石 (2020-01-06 11:51)
映画化期待しています。
政情不安が渦巻いて、生き延びることが最優先のレバノンでしたたかに育ったレバノン人の若者が、グローバル企業のトップに上り詰め、その中で自己蓄財欲求を満たす集金システムまで完成させた。
「窮地を逃げ切ったアラブ商人の末裔、エコノミックスアニマルの物語」
by ロートレー (2020-01-06 14:23)
nikkiさん
舐めている・・・。
これだけ日本企業のトップいて日本語を覚えないこと自体、言わずもがなですよね。
by tsun (2020-01-06 18:48)
いっぷくさん
50億円なら逃亡しなかったのでは。
ちょっと安過ぎました。
by tsun (2020-01-06 18:49)
匪石さん
よく飛び散らかしているんでしょう、先生は(笑)
今年もよろしくお願い致します。
by tsun (2020-01-06 18:50)
ロートレーさん
いいですね、そのタイトル(笑)
自ら自叙伝を出せば、15憶円でしたっけ、元はすぐに取れそうです。
by tsun (2020-01-06 18:53)
中東情勢の急展開で「日本にいれば良かった…。」と後悔していればザマアミロなんですが。
その時は石油価格の上昇で我々も厳しいでしょうし、溜飲を下げる事はないかもしれませんね〜。
by ももんが (2020-01-06 20:50)
ももんがさん
レバノンでもフランスでも、逆風が吹いてくれればスッとするんですけどね。
さて、これからどうなるんでしょうね。
by tsun (2020-01-06 21:59)