交通事故の悲惨さを日本で初めて「戦争」に例えたのは、愛知県警察部の文書であったという。稲垣吉彦著『ことばの情報歳時記』によると、昭和七年の「交通事故統計表」の序文にはこうある
▼<事故がこのままの状態で増加するなら、交通戦争、交通殺人地獄、というような熟語まで生れ、せっかく人類幸福の具としてたたえられるべき交通機関の進歩発展が、呪いの種とはなりはしないか>
▼自動車の数が今よりはるかに少ない時代の警告は戦後、不幸にして言葉どおりになる。最悪だった昭和四十五年は死者一万六千七百六十五人を数えた。ベトナム戦争による当時の米国人の年間死者数に匹敵し、「戦争」は大げさな表現ではなくなっている
▼長い戦いを思えば、小さくない勝利だろう。昨年の全国の交通事故死者数は三千二百十五人で過去最少を三年連続で更新したと警察庁が発表した。自動車の多さもあり「主戦場」となっていた愛知県は十七年ぶりに死者数の全国ワーストから脱している
▼自動車の安全性能の向上などにくわえ、不名誉を避けようと各県などが積み重ねてきた対策が、全体の死者数を減らす一因となったはずだ
▼とはいえ、三千人以上が命を落としている。「ながら運転」など新たな技術が関係している事故も起きている。自動車を人類幸福の具とためらいなく言い切れる終戦の時はまだであろう。
中日新聞:中日春秋(朝刊コラム)
この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。
tsunさん再開に気づかなくてごめんなさい。
遅ればせながら今年もよろしくお願いします。
by zombiekong (2020-01-09 12:11)
車離れですか。車はリースでいつでも手放せる状態の人が出てきて、「愛車」という言葉が死語になる日も近いかも。
自分で運転するより、公共交通機関利用したほうが楽ですしね。
by いっぷく (2020-01-09 14:26)
北海道と愛知県。。。わたしに縁のあるところは
ワースト地域なんだな(笑)
by リュカ (2020-01-09 15:53)
クルマ社会の青森ではアメリカとイランの紛争の行方を心配しています。
本当にガソリンや灯油が高騰したら死活問題です。
トランプの反応は意外でしたが・・大人しくイランがこの先もしているだろうか?
落としどころをお互い探っている感は半端ないですが・・・
by 青い森のヨッチン (2020-01-09 16:28)
本年もよろしくお願いいたします。(*´▽`*)
by mayu (2020-01-09 17:01)
zombiekongさん
こちらこそ、よろしくお願い致します。
by tsun (2020-01-09 18:14)
いっぷくさん
私もめっきり運転することが無くなってきました。
駐車場の心配は要らないし、公共交通機関または歩き・自転車がいいですよね。
by tsun (2020-01-09 18:17)
リュカさん
いつの間にか北海道はいい子ちゃんになってました。
by tsun (2020-01-09 18:18)
青い森のヨッチンさん
どっちも戦争なんてしたくないですからね。トランプ大統領は再選したいだろうし。
by tsun (2020-01-09 18:22)
mayuさん
こちらこそ、よろしくお願い致します。
by tsun (2020-01-09 18:23)
「ライバル」の北海道から来ました(笑)
医療の進歩や、ガードレールの普及・改良、道路も曲率の見直しなんかも事故車の減少に貢献しているらしいです。
本当の戦争は勘弁して欲しいですね。
by ももんが (2020-01-09 23:36)
ももんがさん
知らない内に北海道さんは、「愛知県なんてライバルでもなんでもないよ」になっていたんですね。
そうですね、とくに医療やクルマの進歩は大きいかも知れませんね。
by tsun (2020-01-10 09:50)