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令和二年一月十四日 偏見と差別 [中日春秋]


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ウルトラマン・セブンは年代から言って、再放送組です。
その後にオンエアで観ていた「帰って来た」や「タロウ」などよりもよく覚えています。
どれくらい再放送を観ていたんでしょうね。
それにしてもつくづく格好良かったのは、セブンのウルトラ警備隊の出動シーンで流れる英語の歌と映像。その曲名を「ULTRA SEVEN」と言い、本日初めて知りました。

<酋長(しゅうちょう)だの土人だの唐手(からて)だの泡盛だのの同義語でも眺めるかのように、世間の偏見達(たち)が眺めるあの僕の国か!>-。山之口貘の詩「会話」。「僕の国」とは山之口の故郷、沖縄である

▼一九三五(昭和十)年発表の作品だが、その二十年後も沖縄への偏見は変わっていなかった。五五年、一人の若者が沖縄から上京する。沖縄出身と言うとけげんな顔をされた。「(沖縄には)土人もいるんでしょうね」と聞かれた。青年は答えた。「僕も土人です」

▼「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」などの脚本家上原正三さんが亡くなった。八十二歳。千本を超える作品。昭和の怪獣少年たちには忘れられぬ大恩人である

▼怪獣ものでありながら描いていたのは自身も味わった偏見や差別への怒りと悲しみだろう。「正義のヒーローより地べたから見上げる怪獣や世をすねた怪人に共感を抱いていた」と言う。怪獣や宇宙人にも事情がある。マイノリティーへの理解と情が作品に重厚さを加え、子どもたちをはっとさせた

▼髪の毛が赤いという理由だけで地球人に迫害されたトーク星人の怒り。上原さんの「300年間の復讐(ふくしゅう)」(「ウルトラセブン」)はボツになっている

▼「…憎しみがトークを鬼にしました。愛して許すことがトークを本当の姿に戻したのです」。アンヌ隊員の最後のセリフ。上原作品の原点だろう。今、見たい。
中日新聞:中日春秋(朝刊コラム)


このトーク星人と言うのは、もう3000年も前から武器を捨て、争いの無い星の宇宙人。
地球に来たのも地球人と交流を図るためだったが、地球では武器を振り回し殺し合いをしている。
人間とほぼ同じだったトーク星人だったが、髪の毛が赤かったこにより、人間から迫害を受ける。
争いの無かった星に住むトーク星人は、無抵抗だった。
その復讐のため、300年掛けてトーク星の武器を作り、人間に復讐する・・・。

愛して許しても、裏切るのが地球人。
トーク星のような武器のない・争いのない世界、それを実現できないのが地球人。

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コメント 4

いっぷく

人を裏切ってしまうのは「自己愛」が強いからです。
でも裏切ることで、結局は自分の価値も落とすので、ちっとも「愛」になっていないのも「自己愛」者の特徴です。
嫉妬も「自己愛」のなせる感情でしょうね。
現実と向き合い自分をありのままに見る、ということができないと、自分も周囲も不幸にします。
by いっぷく (2020-01-15 16:02) 

ももんが

未だに海外では赤毛をからかったりするみたいですね。
これまであまり意識した事ありませんが、日本でも外国人が増えて人種差別などが身近で差し迫った問題になってくるんでしょうね。
by ももんが (2020-01-15 22:20) 

tsun

いっぷくさん
自己愛も必要だと思いますが、強過ぎるのは問題ありですよね。
恨み、妬み、辛み、とにかく厄介ですね人間は。
by tsun (2020-01-16 14:32) 

tsun

ももんがさん
これからもっと日本人の貧困化が進み、日本人に不利な事や外国人による事件が起きたりしたら、一気に外国人排除の気運が高まりそうですね。
by tsun (2020-01-16 14:39) 

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