勝利を重ねてきた木曽義仲も武運が尽きる。敗走の末、ついに従者と二騎だけになった。平家物語の「木曽最期」である。武将はもらす。<日来(ひごろ)はなにともおぼえぬ鎧(よろい)が今日は重うなッたるぞや>
▼今までわが身を守り、体の一部となって功を支えた武具だ。それを重く感じる時が来ようとは。悲しみをたたえたせりふを、驚きのマイナス成長のニュースに思い浮かべた
▼昨年十月~十二月期の国内総生産(GDP)は年率換算で6・3%減という。「経済の安倍」といわれ、経済政策を看板にしてきた首相の肩に、かつてないほど重い数字ではないか
▼疑惑や閣僚の不祥事などが相次いだ政権である。それでも支持を大きく失わなかったのは、「経済が上向いていく」という期待感がよろいの役を果たしていたからではないか。経済重視は日ごろから安定した支持を得る武器でもあったはずだ。その経済の不振である。台風被害や米中摩擦、暖冬といった要因に加え、増税対策の効果に関する誤算があっただろう
▼小売業界などからすでに苦境を訴える声があがっている。やっかいなのは観光産業や中国とのつながりが強い製造業などを中心に新型コロナウイルスの感染拡大の影響が今後いっそう大きくなりそうなことだ
▼いつまで、どれほどなのかが判然としない。肩の重さがさらに増しそうな政権に厳しい視線が向けられそうだ。
中日新聞:中日春秋(朝刊コラム)
この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。
国民には負担増をお願いして(強いて)おきながら
箍の弛んだような総理始め閣僚らの醜聞を聞かされ続けると
確定申告の時期でありますが超節税したくなります。
by 匪石 (2020-02-20 14:49)
持ち帰りとイートインで値段が違うなんておかしいですよね。
by いっぷく (2020-02-20 15:21)
匪石さん
ほんと、税金を払うのが馬鹿らしくなりますよね。
先生のような方が政治家になればと、常々思っています。
by tsun (2020-02-20 18:45)
いっぷくさん
食品等の軽減税率は分かります。しかし、持ち帰りとイートインの税率が違うのは、ちょっと違いますよね。
by tsun (2020-02-20 18:48)