暴走するトロッコの先には五人の作業員がいる。線路は分岐もあるが、その先にまた一人。分岐器でそちらに向かわせることができる「自分」はさてどうするべきか
▼有名な「トロッコ問題」は、だれかを救うのにだれかを犠牲にしてよいか、何を基に判断すべきかと倫理を問う。すっきりとは答えが出ない思考の上の実験である
▼命のてんびんを思わせる難題を、現実の問題として突きつけられたような事態が、新型コロナウイルスの感染拡大が著しいイタリアで起きていた。患者が廊下にもあふれるほどになった病院で、乏しい人工呼吸器や集中治療室のベッドをだれに割り当てるか。悩んだ医師が多数いる
▼優先して助ける患者を決めることは、心情的には犠牲を選ぶのと変わらない。選択を強いられた医師の「うちひしがれている」という言葉が、現地からの報道にあった。助かりそうな人に人工呼吸器などをまわすのだと語っているが、見極めは難しく、心は痛み続ける
▼日本でも懸念が高まっている「医療崩壊」の恐ろしさを物語る話の一つでもあるだろう。都市部で医療をめぐる状況が悪化した米国では、いま医師たちが、同じ難問に直面しようとしている。イタリアを教訓にできなかったと悔やむ医師の声を米メディアが伝えていた
▼追い詰められる前に、トロッコを減速させ、別の岐路を見つけたいわが国である。
中日新聞:中日春秋(朝刊コラム)
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マスクの自作賛成!!
当初、役所のお抱え医師は、「コロナウィルスの感染は、飛沫感染なので、1M以上離れている会話では感染しない。正しく恐れよ」と暗に一般人の心配振りを笑止するスタンスを取っていた。
しかし蔓延が進み、同じ医師が「有症状、無症状を問わず、飛沫感染を防止するためにマスクが有効」と改めたのに、
マスクが欠乏する事態になると「ウイルスは、通常のマスクを容易に通過するので、感染防止に役に立たない」と
マスクがないことをやたら嘆くなみたいな事を言い出した。
本日、香港の研究機関がコロナウィルス感染にマスク有効のデータを公表した。
何が日本政府の専門家だ。(怒)
by ロートレー (2020-04-04 09:02)
ロートレーさん
とくに「移さない」に関しては、かなりの効果があるということですね。
マスクが手に入らないという今の現状では、自作するのが一番ですね。
by tsun (2020-04-05 15:36)