この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。大林監督は、うちの母親とほとんど同じ生年月日でした。
昨今の事情により年寄りに合うのは不味いかなと思いつつも、昨日の医者の帰りに実家に寄ってご機嫌伺い。
父親の手術後の具合も気になっていたのですが、調子が良くないようで寝てました。
母親は、昨年は「手が痺れる」を繰り返す鬱のような状態に陥っていましたが、そんな症状があったことさえ忘れているくらい普通に戻ってます。
物忘れは相変わらず激しいですが…(;´Д`)
カタカタカタ。映写機の音。蔵の中で少年が映写機と漫画映画のフィルムを見つける。映写機で遊ぶ少年。やがて聞こえてくる軍歌。砲撃音。玉音放送。<ぼくは死ねなかった>。カタカタカタ。<ぼくは卑怯(ひきょう)者だ><ぼくは平和孤児だ>
▼医学部の受験会場。窓から外を眺める青年。突然、教室から飛び出していく。<ぼくは教室から逃げるんじゃない>。映写機の音。聞こえてくる軍歌。<ぼくは映画の世界へ飛び込んでいくんだ>。蔵の中で見つけた映写機と漫画映画。カタカタカタ
▼繁栄した東京のビル群。ファインダーをのぞく男。映画「時をかける少女」。若い女優。「時はどうして過ぎていくの」。軍歌。砲撃音。玉音放送
▼老監督が五十歳になった男に教える。「映画には必ず世界を救う力と美しさがある」。カタカタカタ。「君はもう少し先へ行ける。君が無理だったら子どもたちの世代。それがだめなら、次の世代。きっと映画の力で世界から戦争がなくなっている」。軍歌。砲撃音。玉音放送。<ぼくは死ねなかった><ぼくは平和孤児だ>
▼病室。がん宣告。撮影現場。映画「花筐(はながたみ)」。<ふとはずみで立ち上がる。戦争がはじまる時はこんなものかもしれないね><青春が戦争の消耗品なんてまっぴらだ>。カタカタカタ。あの蔵の中。映写機の音が悔しそうにやむ
▼大林宣彦さんが亡くなった。八十二歳。
中日新聞:中日春秋(朝刊コラム)
よく知っている映画監督なのに、観たと思われる映画は『転校生』と『時をかける少女』、そして『彼のオートバイ、彼女の島』くらいでしょうか。
化粧品「マンダム」の「う~ん、マンダム」のCMは大林監督の作品だそうで、手がけた作品は2000本以上とのこと。
大林監督、こんなおじいちゃんになっていたんですね。
よく見ていたのは50,60代の頃の監督なので、仕方ないところでしょうか。