PexelsのSigrid Abalosによる写真
緊急事態宣言出ている東京から、会議のため来名した社員。
ホントは来たくなかったと思いますが、「来い」と言われたんでしょうね。
なんでも、一車両に6人ほどしか乗っていなかったそうだ。
できるんだから、SKYPE会議でいいのにね…。
どうして桜は、およそ下に向かって花を付けるのだろうか。いつもの春なら気にならないことを満開の桜の下を通りながら何度か思った
▼見上げる人に、ほほ笑むように咲いている。なのに、この春は通り過ぎる人から返ってくる視線が少ない。さびしからずや。散り始めの便りが各地から届き始めたソメイヨシノに問いかけたくなる
▼<出(い)づる月を待つべし 散る花を追うことなかれ>。江戸期の儒者中根東里(とうり)の言葉がある。花の代わりというわけでもないだろうが、きょう八日に出る月は、今年の月でもっとも大きいという。昨今、スーパームーンと呼ばれる満月である。今年は桜の季節と見事に重なっている
▼新型コロナウイルスの拡大を防ぐための緊急事態が宣言された。対象となる七都府県の人たちに外出の自粛などが要請されている
▼人との接触を大幅に減らしてほしいという求めもあった。この春、花を楽しめていなかったであろう人たちにとって、いっそう厳しい闘いの始まりだろう。夜桜との競演を楽しむのは難しいだろうが、天気さえ許せば、見上げる空には見事な月があるはずだ。大きな月を見て一服しては-。コロナ禍にある米国のメディアもそんなことを書いている
▼宣言の対象とならなかった地域の人も、世界で闘いに疲れた人も、同じ月を似た思いで見上げようか。月の光に連帯を感じる春もあろう。
中日新聞:中日春秋(朝刊コラム)