愛知県も独自の「緊急事態宣言」が出ました。
しかし、内容と言えば「不要不急の移動の自粛」で、今までもそうだったはず。
この際、愛知県色を出して「都市封鎖」なんかいいかも。
他の都道府県が沈静化しないかぎり、封鎖解除ができなくなりますが…。
一九八〇年代後半に刊行された『図説愛知県の歴史』(河出書房新社)は学者の方々が執筆した硬めの本だ。<ことに名古屋は、大きな田舎と称され…>とあってショックだった覚えがある。仮称「スーパーひかり」と言われた新幹線の一部が、名古屋駅を素通りするダイヤが明らかになるのは九〇年代の初めである
▼当時の愛知県知事らが不快感を表明している。有名アーティストの公演や大規模なイベントなども県都を相次いで素通りし、「名古屋飛ばし」という言葉が広がる
▼東京、大阪に比べ、地盤沈下が言われていたひと昔前の言葉という印象があった。それが、ネット上でさかんに使われていて驚かされる。深刻な不安や懸念を込めて使われている例が多い。愛知が入らなかった新型コロナウイルス対策のための国の緊急事態宣言に対する声である
▼愛知県内の感染者数は多いが、増加のペースはゆるやかだった。経済活動への負担が避けられない宣言だ。名古屋飛ばしは、妥当にも思えたが、同時期に再び感染者数が、増えてしまった
▼宣言から外れ、警戒感が緩んではならない局面となっているようだ。大村秀章県知事は政府に追加を求め、きょう県独自の宣言を出すという
▼スーパーひかりはのちに「のぞみ」と命名された。「最終的に望みはすべて来ている」。そんなうまい言い回しをネットで見つけてうなずく。
中日新聞:中日春秋(朝刊コラム)