Fire7用に32GBのSDカードを購入し、外部記憶媒体として取り付けました。
それに伴い、Prime Readingの対象タイトル本数冊をダウンロード。
Prime Readingの対象タイトル本の中でも、探せば読みたくなる本がいっぱいでした。
これで当分の間は図書館に行かなくてもいいかな。
「災」という字は、辞書によると、水の流れと火でできている。あの日街を襲った炎の記憶が刻み込まれているようだ。阪神大震災を経験された方の中には、そう感じるむきも多いかもしれない
▼神戸市で被災した詩人安水稔和さんが、新聞社に寄せた詩「神戸 五十年目の戦争」も火の記憶から始まる。<目の中を燃えつづける炎。/とどめようもなく広がる炎。/炎炎炎炎炎炎炎/また炎さらに炎。>
▼都市直下型だった地震は、火災と建物の倒壊で多くの犠牲者を出した。消防隊員の手記をまとめた『阪神淡路大震災 消防隊員死闘の記』(旬報社)には、無念の思いも満ちた火との戦いがたくさんある
▼火勢に対して、人や装備が足りない。水が尽きる。「おばあちゃんがまだ中におるねん」「助けてください」の声。なすすべがなかった現場がいかに多いことか
▼同じ思いを繰り返してはならない、安心できる世の中になったか、備えはできたか、助けあえているか。当時の人々から、そう呼び掛けられ、問い掛けられているような思いにとらわれる手記である。きょうで、あの日から二十五年となった。思い出すべきことが多い日である
▼<一月十七日午前五時四十六分/けっして忘れない。/ふたたびの戦後/はじまったばかり。>。安水さんの詩の一節である。戦争の記憶のように失ってはならない火の記憶があろう。
中日新聞:中日春秋(朝刊コラム)