千葉ではチャラリン、茨城ではツラサンボー、大分や福岡ではモーガンコと呼んだらしい。滑稽味のある言葉は、どれもつららの方言である。金田一春彦の『ことばの歳時記』に教わった。つららの方言の多さは学問の世界で有名だそうだ
▼稚気が漂うような表現がいくつも生まれたのは、子どもの興味が向けられていたからという。おもちゃの少ない時代、冬の軒先に現れる氷の贈り物だったようだ。家の造りの変化もあって、子どもたちがチャラリンやツラサンボーを見上げる光景は減っているようだが、この暖かい冬は特に、多くの土地で、“贈り物”が少なそうだ
▼暖冬である。東京では「初氷」の観測がまだない。例年なら十二月中旬だそうで、現在遅い記録を更新中だ。全国的にも今季は遅かったようだ。雪不足が深刻な各地のスキー場では、関係者が雪を切望している
▼寒さが緩む日が多いのはありがたい。入試の日も暖かくと思わずにいられないが、地球温暖化もあって、季節らしさはやはり恋しくなる
▼<新(あらた)しき年の初めに豊(とよ)の稔(とし)しるすとならし雪の降れるは>。万葉集の歌では、雪は豊かさの前兆らしいと詠まれている。厳しい寒さが実りにつながる作物もある
▼突然、厳しい季節を迎えたのは、交通事故で負傷したバドミントンの桃田賢斗選手だろうか。試練を乗り越え、実りの日を、と願わずにいられない。
中日新聞:中日春秋(朝刊コラム)
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東京はまだ一度も雪が降っていませんが、もう春かなと思う日がつづく3月ごろに
突然どっさり降るときもあるのでまだまだ油断はできません。
普段雪と無縁なので、いったん降られると交通機関が軒並み
マヒしてしまうので困ります。
by いっぷく (2020-01-16 23:06)
いっぷくさん
梅の花がとか、桜の花がというのも耳にします。
一過性のことならいいのですが、年々こうのようになってしまうのは、やはりマズですよね。
by tsun (2020-01-17 15:18)