本日の中日春秋から。
日来はなにともおぼえぬ鎧が今日は重うなつたるぞや平家物語 巻九の「木曾最後」の場面に出てくる木曽義仲の言葉。
この最後の従者が今井四郎兼平で、義仲の乳母子で義仲四天王の一人。
兄に樋口兼光、弟に今井兼光、妹に巴御前がいる。
このあと、義仲を自害させるため粟津の松原に逃がすが、義仲が打ち取られたのを聞き、「これを見給へ、東国の殿原、日本一の剛の者の自害する手本」と言って、刃先を口に入れて馬から逆さまに飛び落ちて自害した。
平家物語と言えば、今となっては「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」しか分かりませんが、こんな面白そうな物語なんですね。
勝利を重ねてきた木曽義仲も武運が尽きる。敗走の末、ついに従者と二騎だけになった。平家物語の「木曽最期」である。武将はもらす。<日来(ひごろ)はなにともおぼえぬ鎧(よろい)が今日は重うなッたるぞや>
▼今までわが身を守り、体の一部となって功を支えた武具だ。それを重く感じる時が来ようとは。悲しみをたたえたせりふを、驚きのマイナス成長のニュースに思い浮かべた
▼昨年十月~十二月期の国内総生産(GDP)は年率換算で6・3%減という。「経済の安倍」といわれ、経済政策を看板にしてきた首相の肩に、かつてないほど重い数字ではないか
▼疑惑や閣僚の不祥事などが相次いだ政権である。それでも支持を大きく失わなかったのは、「経済が上向いていく」という期待感がよろいの役を果たしていたからではないか。経済重視は日ごろから安定した支持を得る武器でもあったはずだ。その経済の不振である。台風被害や米中摩擦、暖冬といった要因に加え、増税対策の効果に関する誤算があっただろう
▼小売業界などからすでに苦境を訴える声があがっている。やっかいなのは観光産業や中国とのつながりが強い製造業などを中心に新型コロナウイルスの感染拡大の影響が今後いっそう大きくなりそうなことだ
▼いつまで、どれほどなのかが判然としない。肩の重さがさらに増しそうな政権に厳しい視線が向けられそうだ。
中日新聞:中日春秋(朝刊コラム)
老後2000万問題もあって、実質所得の目減り、消費税率引き上げ・・・
貯蓄率が上がっているようで、そりゃそうでしょう。
もう老後が心配で、お金なんか使っていられない。
市場にお金が回らなければ、経済も回らない。
まずは消費税5%に。
そうすれば支持率も50%以上へ回復するはずです。