新型ウイルス、ブラジルでも感染確認 南極除く全大陸に拡大
こんなニュースを読むと、思い出すのはあれ。
ジャニス・イアンの名曲「You are love」と映画(小説)『復活の日』です。
この『復活の日』は、小松左京が1964年に発表したSF小説で、1980年に映画化されました。
因みに、『復活の日』で人類を滅亡の危機にさらしたのは、軍事目的で作成された猛毒の新型ウイルスを利用した人間でした。
マスクをしないで咳(せき)をした男性に腹を立てて、乗客が地下鉄の非常通報ボタンを押したという先週の騒ぎにひどくおびえている。こうなると、何としてもマスクを手に入れなければならぬ。咳やくしゃみ一つで何が起こるか予想もつかぬ
▼血眼になって探してもどこの店にも見当たらぬ。非常時に付け込んで、大量購入し、法外な値段で売っている人間もいるそうだが、そんな大枚は出せぬし、第一、もうけさせるのもシャクである
▼不思議なのはマスク不足にもかかわらず、電車の中の人はちゃんとマスクを着用していることで、皆さん、知恵を絞って用意しているのだろう
▼マスクを誇らしげにしている同僚に聞けば、数週間前、コンビニでたまたま買えたものを大切に使っているという。別の同僚は用意のよい知り合いから備蓄品を分けてもらっているらしい
▼そんな幸運や、役に立つ知人とも縁遠い身は電車の中で万が一にも咳など出ないよう小さくなっているしかないが、咳をしてはならぬという緊張のせいか、風邪でもなんでもないのにかえって咳がこみあげてくる
▼人の目も恐ろしく、落ち着かぬ日々の中、のどがスッとする善き話の主人公は知り合いの作家のお嬢さん。電車の中で咳をしている人を見かければ、未使用のマスクをどうぞと手渡しているそうだ。こういう親切はなかなか市中に伝染していかないのだが。
中日新聞:中日春秋(朝刊コラム)