自転車のサドル盗み続けて5800個 「スリルがたまらない」、容疑のトラック運転手逮捕
盗み続けて25年、総計5800個のサドルとなりました。
一か月平均19.3個ですよ。
このサドルを収納するため、貸倉庫を借りていたようです。
スリルだけならサドルでなくてもいいわけで、やはり違う目的もあるサドルフェチなんでしょう。
雪の研究で名高い中谷宇吉郎博士は、関東大震災と太平洋戦争で、デマが世の中を揺さぶる様子を間近に見ている。大震災で焼け出された際には、近くで戦闘が起きていると虚偽の話を大声で叫ぶ警察官に会った。数万のソ連兵が小樽に上陸したなどというデマに研究者の家族らが動揺したのは終戦のころのことという
▼文明化された都会の人も、考えれば疑問符ばかり浮かぶような情報に不安を募らせた。デマの「培養層」とは無教養な人々だと思うと大間違いだと随筆に書いている
▼情報化が進んだ現代社会の人々も、疑わしい話がもたらす不安を克服したわけではないようだ。新型肺炎が広がる中、トイレットペーパーなどが店頭で品薄になっている
▼政府も業界も不足を否定している。理解はしても、万が一に備えたいという心理が、どこかで働いているのだろう。近所の店先の棚も、空っぽ続きである。目の前に商品があれば、買い占めたくなるものかもしれないと思いつつのぞくが、迷いが生じようもないほど何もない
▼米国の都市でも、同じような品不足が起きているそうだ。共通の心理に根差した事態のようでもある
▼空っぽの棚には大量購入を控えるようお願いした紙が張られている。歩いて買いに来たのだろう。無言で紙と棚を見つめる高齢の男性の姿があった。買いだめの誘惑が起きた時に思い出したい光景だ。
中日新聞:中日春秋(朝刊コラム)