2012年11月25日(日)
寒さで目を覚ましてからは、うつらうつら状態。
この日も5時起き。
インナーテントは大丈夫だが、フライがベタベタ。
食事後は前室でバーナーを燃焼させて乾かしを試みる。
結局は徒労に終った・・・。
日が出るまではガスっていた。
大雲取越の小口側入り口。
円座石(わろうだいし)
大雲取越道のそばにある4つの苔むした大石。
「わろうだ」とは円形の座布団のことで、大石の上に熊野の神々が座って談笑したり、お茶を飲んだといういわれが伝わる。
大石には梵字三字が彫られており、それぞれ阿弥陀仏・薬師仏・観音仏をさす。
楠ノ久保旅籠跡
約1.5Kmの区間に数箇所の屋敷跡が見られる。江戸時代には、十数件の旅籠があり、大変にぎわったという。北に見える小雲取の桜茶屋を指差して、あそこまで宿屋がないからここにとまるように、と客引きをしたとの話ものこる。
18世紀の参詣者の日記に、旅籠の亭主がいろいろもてなしてくれるが、野菜を植えても猿と鹿に食べられてしまうので、干ワラビ以外には菜や大根の類はない、ということなども記されている。
ここには、大正時代まで旅籠が営まれており、「豆腐あります、風呂わいてます」が宿の宣伝文句であったという。
胴切坂の看板。
ここまでも相当辛かったが、ここからがもっと辛かった。
休み休み上がる。
胴切とは、この坂を上ると横腹が痛くなり切れそうだ、からきているらしい。
ヤクに頼る。
卒業記念で歩くらしい。
越前峠
標高870m、中辺路の中でも最高所となる。ここにも茶屋があったようだが、屋敷跡ははっきりわからない。
越前峠と小口集落間は、延々と急坂で結ばれる。小口は標高65mであり、一気に800mの高低差を下る(上る)ことになる。特に、楠ノ久保集落跡までは、急坂に石畳が点在する「胴切坂」という、大雲取・小雲取越における最大の難所である。
最大の難所を突破して一息つく。
看板には870mと書いてある。
石倉峠から地蔵茶屋跡へ。
「小口自然の家」でお願いした弁当。
めはり寿司も入っていた。
エネルギー充填完了。
ここから少し舗装された道を歩く。歩き易いが、上りでエライ。
「色川辻」というところで舗装された林道とオサラバするが、ここでこの日最初で最後の歩行者と出会う。
年の頃は同年代。彼も初めて人と出会ったと言っていた。
海が見えた。キレイだ。
この辺が「亡者の出会い」。
色川辻からの谷間の道の通称。
この坂を歩くと、物故した縁者や知人が白装束姿で現れるのを目撃するとの言い伝えがある。また、ダル(ヒダル神)やガキ(餓鬼)と呼ばれる亡霊にとりつかれ、異常な空腹感に襲われて死に至るとの伝承を南方熊楠が記録している。ダルやガキに憑かれた際には、わずかでもよいから食物を口に含めば、亡霊をしりぞけられるという。
そして、とうとう舟見峠に到着。
舟見峠から南にもう少し進むと舟見茶屋跡がある。
茶屋跡の上に眺望の良い東屋が建っていた。
宇久井の辺りだろうか。
時間を気にしながら下りを急ぐ。
心拍的には楽だが、脚に力が無くなってきた。
靴の影響もあり、足首を挫きそうになる。
長い下りを歩き通し、やっと那智大社へ降りてきた。
時間は15時ちょっと前。
さっさと参拝を済ます。
帰りの南紀8号は17時10分、紀伊勝浦を発車。
15時45分発の紀伊勝浦行きのバスに乗る。
一旦、那智駅で下車して駅前の温泉に入る。
着替えが出来、さっぱりする。
40分後、16時42分那智駅発のバスに乗り紀伊勝浦駅へ。
駅前のお土産屋で家にお土産を買う。
発車10分前に紀伊勝浦駅に着く。
乗車率95%。
ビール2本とめはり寿司。
気持ち良く眠れた。
歩行時間は7時間(古道のみ)。
この日出会ったのは、たった1人だけ。
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2012-11-29 23:54
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いろいろな場所にいわれがあるんですね。
人に会わないのは寂しいですが、こういうところは人が少ない方が風情を味わえるでしょうね。
それにしても高いところなんですね、景色がとても素敵です。
ポチ。
by tac-phen (2012-11-30 03:10)
素晴らしい!私も一度は行って見たい古道です。
by chaachan (2012-11-30 05:26)
tac-phenさん
こんな所で人が営みをしていたんですね。
ここに旅籠が立っていたんだなぁ・・・、なんて往時を偲びながら歩いてました。
今でも茶屋があれば絶対に利用するんですが。
by tsun (2012-11-30 17:45)
chaachanさん
ありがとうございます。
やはりここは晩秋に歩くのが良さそうです。気温も混雑さも。
by tsun (2012-11-30 17:50)
きついでしょうが良い旅って感じがしていいですね♪
よー一人っきりで7時間も歩けるなぁとも思いました(^ω^;)(;^ω^)
by エリオット (2012-11-30 18:19)
今は流行りだから案内看板が整備されていますが・・・
あきっぽい日本人・・・これからも維持できていくんだろうか?
ちょっと要らん心配をしてみたり・・・。
by 半世紀少年 (2012-12-01 17:29)
エリオットさん
イヤ、本当に楽しかったですよ。
道具もいろいろと欲しくなりそうで、ちょっと怖いです。
by tsun (2012-12-01 21:21)
半世紀少年さん
多分、管理維持は大変でしょうね。
所々落石や倒木などがありましたが、そのままのところもありましたよ。
by tsun (2012-12-01 21:34)
いつか行きたいと思っていましたがおかげさまで堪能させていただきました。
良い記事をありがとうございます。
こういう風景が残っているのは日本の財産ですよね。
後世にも遺していきたいですね。
by ももんが (2012-12-04 23:22)
ももんがさん
イヤ、お恥ずかしい。ありがとうございます。
往時を偲びながらゆっくり歩く・・・、良いですよ。
まだまだ他の熊野古道コースがあるので、全部歩きたいと思ってます。
by tsun (2012-12-05 14:02)