『海軍めしたき物語』
『海軍めしたき総決算』
高橋 孟
戦記物でありながら悲壮感は無く、とても面白いです。
『海軍めしたき物語』を読み終えたばかりですが、続編の『海軍めしたき総決算』が発刊されたのがうなずけます。私もその後の著者がどうなったのか、知りたくて仕方ありません。
海軍の特に軍艦戦記となるとどうしても甲板上の戦闘ばかり目にする訳ですが、甲板下では“めしたき”をしている主計兵たち、蒸気タービンを動かしている機関兵たちがいたんですよね。
著者は戦艦霧島勤務となり、理不尽で陰湿なシゴキに耐えながら日夜乗員の食事の用意をします。
海の上にいるのに海を見ない。どこに向かっているの分からない。厳しい“めしたき”の毎日で、楽しみといえば寝ることだけだったとか。
戦艦霧島は機動部隊として真珠湾攻撃もミッドウェイ海戦にも出撃しますが、主計科である彼らはいつもと変わりなく“めしたき”をしていて戦っている実感はまるで無く、そんな時は古参兵からのシゴキも無く嬉しかったそうです。
ただ、ミッドウェイの時(戦後になりあの時がミッドウェイ海戦かと知ったようです)は少しばかり様子が違っていたようで、いつもは烹炊所に入ってこない主計科のエライさんが来ていて、なぜかと言うとそれは烹炊所が艦橋の真下にあり船で一番安全な場所だからだそうです。
『海軍めしたき物語』では乗艦していた砲艦が撃沈され、漂流し助かるまで。
『海軍めしたき総決算』では、その後から終戦までが書かれているようです。
そんな内容が、味のある著者自身のイラストとユーモア溢れる文章で書かれています。
そのイラストがまたイイんです。
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2013-09-11 21:45
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これもまた戦争の記録ですね。
ずぅっと窓も無い艦艇内にいるってどんな気持なんでしょう。
閉所恐怖症の自分なら発狂する自信があります・・・
by 匪石 (2013-09-12 14:22)
匪石さん
1300名もの食事を朝昼晩用意するのでほとんどを烹炊所で過ごし、それが嫌で経理の学校の試験を受けて艦を降りることに。その後霧島は砲撃戦で沈むことになる訳ですが、その後も著者の強運は続きます。
戦艦勤務は特に規律も厳しく、そして自分の持ち場以外にはほとんど行くことも無く、船が小さくなればなるほどアットホームな感じになるようです。
by tsun (2013-09-12 21:54)