『シークレット・レース』

以前、HiroHeroさんが紹介されていた本『シークレット・レース』。
自転車競技を支配するドーピングに鋭く迫る
過酷なまでの勝利の追求がもたらしたドーピングとその隠蔽――自転車レースを支配する闇の世界に、ランス・アームストロングのマイヨジョーヌに貢献した元プロ選手タイラー・ハミルトンとノンフィクション作家ダニエル・コイルがメスを入れた。
そこは、煌びやかなプロ自転車競技界の裏側にある幾重にも連なった腐敗と恐ろしいまでに不穏な世界だった。
面白そうなので私も買って読んでみました。



この本（タイラー・ハミルトン）を全面的に信じれば・・・、いやいや信じているので、今まで私の中にあったランス・アームストロングのイメージはガラガラと音を立てて崩壊しました。
（ランスだけがドーピングしていた訳ではありませんが、その筋では他の選手より2年は先を行っていると影で言われていたそうです。）
当時はドーピングしないと先頭集団に残れない、どんなに努力してトレーニングしても、ドーピングして努力している選手には敵わない、そんな状況だったようです。
自転車レースで活躍したいと思えば、ドーピングするしか方法がない時代背景だったのは確かのようですが、それでもクリーンな状態で走って走っていた選手もいる訳で、選手自身いろいろ悩んでいたのが伺えます。

その中で2003年のツール・ド・フランスの事も書かれています。
「ランス最大のピンチ」とか「ランス過去最大の苦戦」とか言われている年でしたが、DVDを見て「ランス調子悪いなか、よく頑張って5連覇したな」なんて思ってました。
それが、「他の選手がランスのドーピング水準に追いついたから」なんてことが書かれてあり、「あーそうなんだ」とすごく納得してしまいました。



ある時期を境にチームによるドーピングから個人によるドーピングに変わっていくのですが、2004年当時の血液ドーピングは1シーズン5万ドル（500万円くらいですよね）。一流と言われる選手になるためには安いもんなんでしょう。
私も坂を上る日はちょっとEPOでも使ってみたいなと思いましたが、ワンデーのような場合はあまりドーピングの意味が無いようでした（汗）

面白いです。
来年からのツール・ド・フランスも、いろんなところにチェックを入れて観られそうです。

シークレット・レース (小学館文庫)

• 作者: タイラー ハミルトン
• 出版社/メーカー: 小学館
• 発売日: 2013/05/08
• メディア: 文庫

ツール・ド・フランス 2003 [DVD]

• 出版社/メーカー: 東宝
• 発売日: 2012/05/26
• メディア: DVD

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タグ：本紹介

コメント 6

先日M.タイソンも現役時のドーピングを告白してましたね。
今更ーではありますがMLBのホームラン数を見ればその効果は明らかで
自身の健康と引き換えとはいえ不公平でしょうね。
by 匪石 (2013-11-20 11:30) 

月の回答は、本日のブログを見てね。
by sarusan (2013-11-20 14:38) 

先日にUCIの会長がドーピングを隠したことを告発していました。
http://cyclist.sanspo.com/107148
こんなに後だしで嘘をついていたことの告白が続いたら、そういう競技だと思われても仕方ないですよね。
検査や違反の裁定も曖昧だし、ドーピング違反がなくならいのだったら、逆にドーピング有りで速い人のジャージを作ったらいいのじゃないかと思います。
by みぞお (2013-11-20 15:41) 

匪石さん
タイソンはコカインでしたっけ。まあ、ステロイドとかもやっていたんでしょうね。
他人のオシッコとは・・・。自転車だと見ているところで出してますよ。
身体能力が15%も上がるなら、身を削ってでもドーピングしちゃうでしょうね。
by tsun (2013-11-20 18:31) 

sarusanさん
思っていた通りでした。
信じてくださいね。
by tsun (2013-11-20 18:32) 

みぞおさん
確か1999年の隠匿は、ランスに反応が出てランスが圧力を掛けたようなことが書いてありましたね。
ランスは、相当にいろいろなコネクションを使って隠匿していたようです。

＞逆にドーピング有りで速い人のジャージを・・・
ヘマトクリット値50クラスとか（笑）
by tsun (2013-11-20 18:33)