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「御嶽山噴火 生還者の証言」と「官賊と幕臣たち」 [読書]


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今日は当番で出勤。
鍵を開けて留守番するだけ。
午前中は仕事を片付けて、午後からは読書してました。
図書館で借りた、この2冊を読むことができました。

とくに「御嶽山噴火 生還者の証言」の方は興味深かったです。
頂上直下のお鉢(矢印の部分で噴火口は地獄谷部分)で被災した山岳ガイドの小川さゆりさんが、最初の水蒸気爆発から脱出するまでの体験は凄まじいです。

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体験記の後の後半部分は、御嶽山噴火を多角的に検証しています。
噴煙押し迫る状況下での呑気とも思える写真撮影は、正常性バイアスと多数派同調バイアスが働いたと指摘しています。
正常性バイアスは、目の前の危機的な状態を認めたくないという心理状態。
多数派同調バイアスは、皆と同じ行動をとれば大丈夫だと信じ込む心理状態。
その心理、分かりますよね。

また、メディアの記事の仕方についても書かれています。
どうして生還できたかと問われ、「経験、技術、それに運」と堪えたら「運」だけを省かれて記事にされ、かなりクリームやお叱りを受けたようです。
他の生存者もはじめはメディアに対応していたそうですが、だんだんと口を噤んでいったそうです。
そこには「自分の意図したことが伝えられていない」という思いがあったようです。
新聞に雑誌、ネットの情報など、影響されやすい私ですが、鵜呑みにしてはダメですね。

かなりお薦めです。

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黒沢口側5合目、八海山小屋からの御嶽山


御嶽山噴火 生還者の証言 あれから2年、伝え繋ぐ共生への試み (ヤマケイ新書)

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  • 作者: 小川 さゆり
  • 出版社/メーカー: 山と渓谷社
  • 発売日: 2016/09/16
  • メディア: 新書



官賊と幕臣たち―列強の日本侵略を防いだ徳川テクノクラート

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  • 作者: 原田 伊織
  • 出版社/メーカー: 毎日ワンズ
  • 発売日: 2016/01
  • メディア: 単行本


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コメント 6

ranran

責任感を持って、事実を、正確に、総て報告する、こういう人こそ割りを喰う典型例ですね
歪曲されかねない余計な事は言わない に限るのですが 責任感ある人は『余計』と思わないんですよねぇ

ま、最低の報告でも歪曲されるコミュニティもありますけどね

あらゆる報道媒体についても鵜呑みしてはいけないと再認識致しました
by ranran (2017-02-05 06:10) 

ロートレー

御嶽山の写真はとても深い色彩で美しいです!

by ロートレー (2017-02-05 19:51) 

kiki

ネット上での情報の判断は難しいものがあります。

by kiki (2017-02-05 20:37) 

tsun

ranranさん
記者の考えなんかが入ってしまうと、事実とは違った記事になるんでしょうね。
インタビューで聞いたことは正確に、事実は事実として書いて貰いたいですね。
by tsun (2017-02-06 00:25) 

tsun

ロートレーさん
自分でもちょっとお気に入りの写真です(汗)
by tsun (2017-02-06 00:26) 

tsun

kikiさん
同じ事柄でも、いくつかの情報を確認することが大切ですね。
by tsun (2017-02-06 00:27) 

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